コバードの歴史

コバードの歴史
伝統×テクノロジーの力でおいしさを世界に

明治27年に創業した当社は福井県を拠点とする食品機械メーカーです。
機械でも「手作りの品質」を再現する製品を多数ご提供してまいりました。和菓子の製造機械に始まり、現在では和菓子、洋菓子、惣菜、パンなど、多様なジャンルで100種類にも及ぶ機種を製造販売しています。

菓子木型彫刻業から最新の食品製造機械の開発へ

初代・小林佐吉は菓子木型彫刻を手掛け、二代目小林貞士は京都での修行を経て「小林京鳳堂」として菓子木型彫刻と菓子道具類の発売を始めました。

三代目小林将男は、食品機械全般の開発・製造に力を入れ、平成元年に社名を株式会社コバードに変更しました。これ以降、製品ラインナップを大幅に拡大していきました。

創業100周年を迎えた平成6年には、東京支店を開設。

パン成形機LBSライン、包成機マジックハンドなど、手作り品質を超えるような精巧な機械を開発する一方、手包みより柔らかく包めるおにぎり・巻き寿司用米飯成形機など、バラエティに富んだ製品を生み出してきました。

三代目 小林将男

社名の由来は平等院鳳凰堂

平等院鳳凰堂とコバードロゴ

旧社名の「小林京鳳堂」は、二代目小林貞士が京都・宇治の平等院の屋根の大棟に据えられた鳳凰を見て、将来は鳳凰のように天高く羽ばたきたいとの思いを込めて命名しました。

新社名のコバードも、鳳凰にちなんで鳥を意味する「バード」を組み合わせた会社名です。ロゴマーク(KOBIRD)にも鳳凰のくちばしや翼尾のシンボルを配しています。

高品質な商品を作る機械の開発

「手作りに近づける」機械の開発

コバードの機械製造のモットーは「手作りに近づけること」です。

奥が深く、歴史のある和菓子の味や技術を引き継ぎ、品質を落とさず、安全性・生産性も考慮した技術開発に取り組んできました。

和菓子は素材がシンプルでごまかしがきかない繊細な食品です。ただ量産するだけではその品質は損なわれてしまいます。

当社は、お菓子を作る側のこだわりへのニーズに応え、手作り品質のものを作れる機械の開発を進めてきました。

包あん成形機
写真:包あん成形機(AR-881)

技術の積み重ねが生んだ革新的な開発

現在、コバードの食品機械ラインナップは100種類以上に及びます。

地元の銘菓・羽二重餅の製造機に始まり、次のステップでは「延ばす」「折りたたむ」「丸める」「包む」「形を整える」という工程を機械化していきました。「延ばす」作業の機械化に本格的に取り組んだのは52年以上前です。

「延ばす」工程は、200年も続いている京都の老舗でも難しい技術とされ、職人を育てるのには10年以上かかります。
そのため、職人不足から機械化のニーズが生まれました。

「延ばす」工程の開発を成功させ、その後「折りたたむ」工程、そして約46年前に「包む」工程へと段階的に取り組みました。

当社が後発ながら先発企業に匹敵する技術力を持っているのは、柔らかく扱いが難しい餅の加工・成形に関するノウハウを一貫して積み重ねてきたからです。

革新的かつ実用的な技術開発で日本の食品文化向上に貢献した功績が認められ、三代目社長の小林将男は、平成8年4月に黄綬褒章を、平成21年4月には旭日双光章を受賞いたしました。

製品例

【包あん成形機】ロボセブンシリーズ
【包あん成形機】ロボセブンシリーズ
ロボセブンシリーズは、和菓子、洋菓子、惣菜、パン、冷凍食品…、あらゆる食品の包あん成形ができる包あん成形機です。高品質・高付加価値商品の包あん成形が得意技であり、操作性、メンテナンス性が格段に向上した新世代包あん成形機です。
ロボセブンシリーズは、「高品質、手作り感覚の製品を作ることができる」 という多彩なオプションと組み合わせることで、可能性は更に高まります。
【発酵生地用包成機】マジックハンドシリーズ
【発酵生地用包成機】マジックハンドシリーズ
マジックハンドシリーズは、パン生地などの発酵生地向けの手包み以上の本格派商品がつくれる究極の包成機です。生地中央にフィリングを充填し、それから包むという人間の手作業と同様の動きを機械化したもので、発酵生地を傷めることがありません。
丸形、リーフ形、パーカー形の包あん成形に対応しています。
【シート成形機】 KZPM
【シート成形機】 KZPM
食品素材に加圧・練り・せん断作用等を加えない「ひっぱり成形」を採用した、画期的なシート成形機です。食品素材を連続的にシートや角棒状に成形します。
従来の成形機では傷みやすい素材、柔らかいクリーム状の素材等々、今まで自動化・機械化をあきらめていたものでも自動化できます。
機構はシンプルで、操作も簡単なシステムです。
【生地連続包あん機】AR-3-N
【生地連続包あん機】AR-3-N
コバード独自の「成形羽根」により、職人的手もみ方式を再現。小サイズ商品(50g未満)の大量生産に最適です。
誕生から40年以上のロングセラーモデルでありながら、マジュマロ・餅アイスクリームなどヒット商品を生み出した高効率包あん機です。

自動機技術が商品の高品質化と働く環境を改善

マジックハンドMH-1W
写真:マジックハンドMH-1W

職人不足に加えて、製菓・製パン業界は慢性的な人手不足に悩まされています。

当社は熟練職人の技を再現し、簡単な操作で高品質な製品を生産可能にする製品開発によって食品業界の人手不足や、働く方々の環境の改善に寄与して参ります。

ユーザー志向の技術開発へ

平成2年にオープンした和菓子・洋菓子販売のアンテナショップ「花えちぜん」からのフィードバックがハード・ソフト両面で製品開発に役立っています。

平成5年4月には「花えちぜん」の2号店がオープンしました。きんつば焼機やコロネパイ成形機、パイ生地充填成形機による高品質な商品が人気となり、ショップの売上げも安定するようになりました。

アンテナショップ運営事業で培ったお菓子の商品作りのノウハウは、食品を製造するお客様のご要望に沿った開発に活かされています。

「花えちぜん」の和菓子・洋菓子

技術で拓くおいしい未来へ

株式会社コバード 代表取締役社長 小林 博紀

平成13年に開発した手包みを超える究極の包成機「マジックハンド」は高級志向の小さなパン屋から大手メーカーの24時間製造体制の無人化まで、幅広く活用されるようになりました。

素材や品質にこだわる日本の伝統的な食文化を支える技術を守り、それを機械技術で安定的・安全に多くの人々に届けることが当社の使命です。

今後も開発型企業として、新しい技術に挑戦し、人と環境にもやさしい機械造りと食の安全、そして日本の食文化へ貢献してまいります。
コバードは今後も世界中の人々においしさを提供し続けます。