食品工場の生産性を向上させる7つの方法!低下する原因や改善ポイントを解説
食品製造業では、人手不足や原材料価格の高騰、品質管理基準の厳格化などにより、「生産性向上」がこれまで以上に重要な課題となっています。
しかし、「人を増やせば解決する」という時代ではありません。
限られた人員で安定した品質と生産量を維持するには、生産工程全体を見直し、効率化・省人化を進めることが重要です。
この記事では、食品工場の生産性が低下する原因や改善方法を解説するとともに、包あん工程の自動化による生産性向上についても紹介します。

食品工場の生産性とは?

生産性という言葉は広く使われますが、食品工場においては何をどう測るかを正確に定義しないと、改善活動の方向性がぼやけてしまいます。
まず基本的な定義を整理しましょう。
生産性の定義
生産性とは、投入したリソースに対して、どれだけのアウトプット(製品・付加価値)を生み出せたかを示す指標です。シンプルに表すと以下の式になります。
生産性 = アウトプット ÷ インプット
食品工場における具体的な指標としては、「1時間あたりの生産個数」「1人あたりの生産量」「原材料投入量に対する製品出来高(歩留まり)」などが使われます。
どの指標を重視するかは工場の課題によって異なりますが、複数の指標を組み合わせて現状を把握することが改善の出発点です。
「なんとなく忙しい」「残業が多い」という感覚的な課題認識では改善策が定まりません。
数値で現状を可視化し、どのインプットに対してどのアウトプットが不足しているかを特定することが、生産性向上の第一歩です。
人時生産性との違い
人時生産性とは、1人が1時間あたりに生み出す生産量または付加価値を示す指標です。
人時生産性 = 生産量(または付加価値額)÷ 総労働時間
一般的な「生産性」が設備・材料・エネルギーなども含めた総合的な効率を示すのに対し、人時生産性は「人」にフォーカスした指標です。
食品工場は手作業が多く人件費の比率が高いため、人時生産性の改善が経営上の直接的なインパクトになります。
人手不足が深刻化している現在、「人時生産性を高めること」つまり少ない人員でより多くを生産できる体制を作ることが、食品工場が持続的に成長するための課題です。
食品工場の生産性が低い主な原因

「生産性が上がらない」と感じている工場には、共通したボトルネックが存在します。原因を正確に把握することが、的外れな改善策を避けるための前提です。
慢性的な人手不足
食品製造業は少子高齢化・他産業との人材競争・就労条件のイメージなどから、慢性的な人手不足に悩む工場が多い状況です。
求人を出しても応募が集まらず、既存スタッフへの負担が増加し、離職率が上がるという悪循環に陥るケースも少なくありません。
人手不足は単に「作業者が足りない」という問題にとどまらず、熟練者の不足による品質ばらつき、残業増加によるコスト上昇、新人教育に割けるリソース不足など、工場全体の生産性を複合的に低下させます。
人員を増やすことが難しい現実を踏まえ、現在の人員でより多くを生産できる仕組みづくりが求められているのが現状です。
手作業工程が多い
食品工場では成形・包あん・盛り付け・検品など、手作業に依存している工程が多く残っています。
手作業は柔軟性が高い反面、スピードの上限があり、品質のばらつきも生じやすいという構造的な問題があるのです。
生産量を増やすには人員を増やすしかなく、人員が増えれば管理コストも増えるというジレンマに陥ります。
また、繁忙期と閑散期の波がある食品製造では、手作業中心の体制は需要変動への対応力も低いです。
作業が属人化している
「あの人でないとできない」「長年の勘と経験が必要」という作業が多い工場では、特定のスタッフへの依存度が高まる傾向にあります。
万が一その人が休んだり退職したりすれば、生産ラインの停止や品質の不安定化といったリスクは避けられません。
また、属人化は技術継承を妨げるのみならず、新人育成コストを押し上げる点も問題です。
作業のマニュアル化が進まない状況は改善のPDCAを阻害し、工場全体の生産性向上の大きな障壁となります。
製造ラインの停止・待機時間
前工程の遅れによる「手待ち」、設備トラブル、段取り替えなどの停止時間が重なると稼働率が急落します。
特に食品工場は衛生清掃でダウンタイムが長くなりがちです。まずは停止時間の可視化が改善の第一歩です。
品質不良・ロスの発生
製品の規格外品・廃棄・やり直しは、材料費とともに作業時間のロスも生み出します。
品質不良が多い工場では、検品・手直し・廃棄対応に多くのリソースを費やしており、その分だけ生産的な作業時間が奪われがちです。
また、原材料の歩留まりが低い場合、同じ量の製品を作るためにより多くの材料を投入しなければならず、コスト構造の悪化を招きます。
したがって、品質管理の強化は「余分なコストをかけること」ではなく、「ロスを削減して生産性を高めること」と捉え直すことが重要でしょう。
設備の老朽化
長年使用してきた設備は、性能の低下・故障リスクの増大・メンテナンスコストの上昇という3つの問題を同時に抱えがちです。
老朽化した設備はスペック通りの性能を発揮できず、生産スピードの低下や精度の悪化を引き起こします。
さらに突発的な故障による計画外停止は、生産計画全体に大きな影響を与えかねません。
「壊れてから直す」という対応では、修理コストと機会損失の両方が生じてしまいます。
計画的な設備更新と予防保全の仕組みを持つことが、安定した生産性を維持する上で不可欠といえるでしょう。
食品工場の生産性を向上させる7つの方法

これらの原因は、いずれも工程・体制・設備のいずれかを見直すことで改善が可能です。
ここでは、限られた人員でも生産性を高められる7つの方法を紹介します。
①作業工程を見直す
生産性改善の出発点は、現在の作業工程の見える化です。
各工程の所要時間・作業者数・ボトルネックを整理し、不要な工程・重複した作業・非効率な順序を洗い出します。
製品が顧客に届くまでの流れを図解化するバリューストリームマッピングなどの手法を用いて工程全体の流れを俯瞰することで、「どこに時間がかかっているか」「どこで待機が生じているか」が明確になります。
改善は大きな投資から始める必要はなく、工程の順序変更・作業の統合・無駄な移動の削除など、コストをかけずにできる部分から始めましょう。
②レイアウト・動線を改善する
工場内のレイアウトが非効率だと、作業者・材料・製品の移動距離が長くなり、時間とエネルギーのロスが積み重なります。
特に食品工場では衛生ゾーンの区分けがあるため、動線設計が複雑になりがちです。
改善のポイントは、工程の流れに沿ったレイアウト配置(U字ライン・直線ライン)、不必要な交差動線の排除、材料・資材の置き場所の最適化です。
レイアウト変更は大規模な工事を伴う場合もありますが、まず現状の動線を図面で可視化するだけで改善余地が見えやすくなります。
③作業を標準化する
属人化した作業を標準化することで、誰がやっても一定の品質と速度を確保できる体制を作ります。
マニュアル化は当たり前だと思うかもしれませんが、「新入社員でもすぐに作業に参加できる」レベルで落とし込むことが大切です。
- マニュアルの整備
- 作業動画の活用
- チェックリストの導入
標準が定まることで、改善のベースラインが明確になり、次の改善サイクルを回しやすくなるという副次的な効果もあります。
④生産計画を最適化する
需要予測の精度を上げ、平準化生産を実現しましょう。
販売データや季節変動を加味した精度の高い需要予測を行うことで、急な段取り替えや在庫過多、廃棄ロスを防止できます。
鮮度管理が厳しい食品業界だからこそ、計画のデジタル化・システム化による最適化が不可欠です。
⑤DX・IoTを活用する
データの一元管理により、迅速な意思決定とトラブル予防を実現しましょう。
IoTセンサーによる設備稼働の監視や環境データの自動記録により、紙の集計や目視確認の手間を削減できます。
集積データを分析すれば故障の予兆を検知できるようになり、計画外のライン停止も防げます。
⑥検査・包装工程を効率化する
自動検査・自動包装機を導入し、省人化と品質安定を同時に目指しましょう。
手作業が多くボトルネックになりがちな検査・包装工程は、画像検査装置や各種包装機(ピロー・シュリンク等)の導入が効果的です。
手作業の限界を超えたスピードが出せるうえ、比較的に短期間で投資回収できる領域です。
⑦製造ラインを機械化・自動化する
成形・充填などの基幹工程を自動化し、生産スピードと品質を飛躍させましょう。
手作業を機械へ置き換えることで、処理能力の向上・品質の均一化・大幅な省人化を実現できます。
全自動化が難しければ一部の工程から段階的に進めるのも有効です。長期的な人件費削減やロス低減のインパクトを見据えて検討しましょう。
食品工場で特に生産性改善効果が大きい工程とは?

すべての工程を一度に改善することは現実的ではありません。投資対効果の観点から、特に改善効果が大きい工程に優先的に取り組むことが重要です。
成形・包あん工程は改善効果が大きい
饅頭・大福・あんパン・肉まん・コロッケ・餃子など、外皮で具材を包む「包あん工程」は、食品工場の中でも特に手作業への依存度が高く、生産性改善の余地が大きい工程の一つです。
包あん作業は均一な重量・形状・厚みを保ちながら高速で行う必要があり、熟練度による品質差が生じやすい作業でもあります。
熟練スタッフが休んだ日には生産量が落ち、新人では一定の品質を維持するのに時間がかかるという課題が多くの工場で問題視されているのです。
自動包あん機を導入することで、1台あたり数百〜数千個/時間の安定した生産が可能になります。
品質の均一化・作業スピードの向上・省人化という3つの効果が同時に得られるため、投資対効果が高い自動化対象として多くの食品工場で採用が進んでいます。
超音波カッターによる自動カットも省人化につながる
包あん工程と合わせて省人化効果が高いのが、超音波カッターによる自動カット工程です。
ホールケーキ・ロールケーキ・ようかん・食パンなど、一定の寸法に切り分ける作業は従来、作業者が目視で位置を合わせながら手作業で行うケースが多い工程です。
超音波カッターは高周波振動によって食品を断面を潰さずに精密にカットする装置で、自動搬送ラインと組み合わせることでカット工程の無人化が実現できます。
断面の美しさと寸法精度の安定が製品品質の向上につながる点はもちろん、作業者の負担軽減や省人化をもたらす大きなメリットです。
成形・包あん・カットまでの一連工程を自動化することで、従来は複数名を要していたラインの大幅な省力化が可能となります。
食品工場の生産性向上なら株式会社コバードへ

生産性向上に向けた設備導入を検討する際、「機械を買う」という発想だけでは十分な効果は得られません。
製造ライン全体の流れを設計したうえで最適な機械を選び、導入後の運用まで支援してくれるパートナーの存在が重要です。
包あん機だけでなく製造ライン全体を提案
株式会社コバードは、包あん機・超音波カッターをはじめとする食品製造機械の専門メーカーです。
主力製品である包あん機「ロボセブンシリーズ」は、饅頭・大福・あんパン・肉まん・コロッケ・餅アイスなど多様な食品に対応し、小ロットから大量生産まで幅広いニーズに応えるラインナップを誇ります。
また、超音波カッターは食品の断面を美しく保ちながらの精密カットを可能にし、搬送ラインとの連携によって自動化を推進する製品です。
同社の強みは機械単体の販売にとどまらず、成形・包あん・カット・搬送・包装に至る製造ライン全体を設計・提案できる点にあります。
工場の現状課題を丁寧にヒアリングしたうえで、生産能力・省人化目標・投資予算に合わせた最適なライン構成をご提案いたします。
試作から設備導入までサポート
「本当にこの機械で自社の製品が作れるのか」という不安を解消するために、コバードでは実際の食材を使った事前テストの実施が可能です。
試作ラボを活用した実機確認により、導入後のイメージを具体的に持ったうえで設備投資の判断ができます。
また、設備導入後も立ち上げ支援・操作トレーニング・アフターメンテナンスまで一貫してサポートする体制を整えております。
これまで、単なる「設備の導入」にとどまらず、生産が安定するまで伴走するパートナーとして多くの食品工場から信頼を得てきました。
生産性向上に向けた設備投資を検討している方は、まずコバードへのご相談から始めてみてはいかがでしょうか。
食品工場の生産効率化に関するよくある質問
ここからは、食品工場の生産効率化に関するよくある質問について解説します。
小規模工場でも導入できますか?
コバードの包あん機はコンパクトなモデルから大型の量産ラインまで幅広いラインナップを揃えており、小規模工場や工房レベルの生産環境にも対応した機種があります。
生産量・設置スペース・予算に合わせた最適なモデルをご提案しますので、まずは現状の生産規模をお知らせのうえご相談ください。
食品工場の生産性向上のために補助金は利用できますか?
代表的なものとして「ものづくり補助金」や「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」などが挙げられます。
補助金の内容や要件は年度ごとに変わるため、最新情報の確認と申請書類の準備が必要です。
コバードでは補助金活用に関する情報提供もサポートしていますので、お気軽にご相談ください。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
現在の生産ラインを止めずに設備の入れ替えは可能ですか?
ご状況によって対応方法は異なりますが、段階的な導入や休日・夜間を活用した設置作業など、生産への影響を最小限に抑えた導入スケジュールの提案が可能です。
既存ラインとの接続方法・スペース確認・搬入経路なども含めて事前に詳細を確認しますので、まずは現場の状況をお聞かせください。
テストキッチンなどで事前に自社の材料を使った試作はできますか?
コバードでは実際にお客様の食材・配合を持ち込んでの試作テストに対応しています。
自社製品が機械で正しく成形・包あんできるかを事前に確認したうえで設備導入を判断いただけるため、「導入後に想定と違った」というリスクを最小化できます。
試作テストのご希望については、お問い合わせフォームまたはお電話でご相談ください。
まとめ
食品工場の生産性向上は、人材確保だけでなく、製造工程の見直しや設備の自動化が重要です。慢性的な人手不足・手作業への依存・属人化・設備老朽化といった課題は、工程の標準化・DX活用・機械化という複合的なアプローチで改善できます。
特に成形・包あん工程は手作業への依存度が高く、機械化による改善効果が大きい工程の一つです。自動包あん機や超音波カッターの導入によって、生産速度・品質均一性・省人化を同時に実現できます。
将来的な生産能力の向上や省人化を見据えるなら、設備単体ではなく、製造ライン全体を最適化できるパートナーを選ぶことが生産性向上への近道です。株式会社コバードでは、試作から設備導入・アフターサポートまで一貫して対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

