中華点心の機械導入で生産UP！3つのメリットや機械の選び方・導入の流れ
中華点心の需要は年々拡大していますが、現場では人手不足により生産量を増やせないという課題を抱える企業も少なくありません。限られた人数に依存した生産体制では、欠員が出た際に生産が大きく滞るリスクもあります。
こうした背景から、手作り感を保ちながら安定生産を実現できる中華点心向け機械への注目が高まっています。
そこで本記事では、中華点心の製造プロセスにおいて「機械化できる部分」に焦点を当て、機械を導入することで「具体的にどのようなメリットが得られるのか」を解説します。さらに、中華点心の製造に特におすすめできる具体的な機種についてもご紹介します。
中華点心向けの主な機械の種類と役割
中華点心づくりには「分割」「包あん」「成形」「加熱」の工程があり、それぞれに専用機があります。
特に中心となるのは、生地と餡を決まった量で包む包あん成形機で、焼売・中華まんなど多くの点心に対応でき、生産ラインの核となる設備です。
ほかにも分割精度を整える分割機、安定加熱を行う蒸し・焼き設備があり、組み合わせることで効率的な連続生産が可能になります。
生地を分割する分割機
分割機は「品質の土台」をつくる設備で、生地を一定重量に自動カットし、毎回同じサイズで次工程へ送ります。
手作業だと重量がぶれ、肉まんなどの点心では皮の厚さが変わり食感や見た目にムラが出ますが、分割精度が安定すると、生地ストレスを抑え、破れ・厚すぎ・薄すぎといったトラブルも減らせます。
つまり分割機は、均一品質と生産効率を確保するためのスタート地点といえるのです。
中華まん・焼売に対応する包あん成形機
包あん成形機は「中華点心づくりのコアとなる設備」です。
皮と餡を一定の比率で包み、丸型・俵型など多様な形に成形します。肉まんや焼売はもちろん、一口点心や中華饅頭など幅広い品目に対応可能です。
手作業では餡量のばらつきや形の差が出やすく、大量生産では特に品質管理が難しくなりますが、包あん成形機はこれらのムラをなくし、歩留まりと生産量を安定させます。
蒸し・焼き工程の自動化機械
コンベア式スチーマーやオーブンは、一定温度・一定時間で加熱でき、蒸し器のようなムラが出にくいのが特長です。成形機と接続すれば、成形から加熱までを一気に流せる連続生産ラインを構築でき、生産量を大幅に増やせます。
例として、焼売は成形直後にスチーマーへ、焼き饅頭はオーブンへ自動投入することで、一連の工程がスムーズにつながります。
つまり加熱工程の自動化は、仕上がり品質の均一化と作業負担の軽減に直結する設備です。
中華点心の機械を導入するメリット
ここからは中華点心の機械を導入するメリットを紹介します。
- 皮の厚み・餡量を揃えて「口当たり」を安定させる
- ニラやエビなど崩れやすい具材でも形を保てる
- 曜日限定・季節限定メニューをムリなく仕込める
それでは詳しく解説します。
皮の厚み・餡量を揃えて「口当たり」を安定させる
中華点心の生産を機械化することで、皮の厚みや中の餡の量を揃えて「口当たり」を安定させることができます。
点心は皮の厚さや餡量がわずかに変わるだけで、食感やジューシーさが大きく変わります。
手作業では、包む力加減や餡量が作業者ごとに違い、薄すぎて破れたり、厚すぎて重くなることもありますが、包あん成形機を活用すれば、生地厚・餡量を数値で管理でき、毎回同じ仕上がりで大量生産が可能です。
これにより「今日は食感が違う」というバラつきを防ぎ、ブランドの信頼性向上にもつながります。均一な口当たりを実現できることこそ、機械化の最大のメリットです。
ニラやエビなど崩れやすい具材でも形を保てる
繊細な具材を使う商品ほど、機械化で形状の安定を実現できます。
ニラやエビなどは繊維や水分が多く、手包みでは飛び出したり偏ったりしがちです。
一方で、包あん成形機は具材をやさしく押し出す仕組みのため、破れや偏りを抑え、安定した形に仕上げられます。見た目が整うだけでなく、ロスが減って歩留まり向上にもつながります。
中華点心を機械で生産する体制を整えることで「崩れやすい具材でも安定生産できる」ようになります。
曜日限定・季節限定メニューをムリなく仕込める
中華点心は、期間限定商品やオリジナルメニューの開発が多いカテゴリです。中華点心での機械導入はこうした期間限定商品やオリジナルメニューの展開を「ムリなく・スピーディーに」行える体制を実現できます。
例えば、冬の定番である中華まんシリーズは、肉まん・ピザまん以外にも「秋のきのこまん」「春の桜あんまん」など季節メニューが増えることが一般的です。しかし、手作業で新商品を仕込む場合、現場の負荷が増え、既存ラインの製造量に影響が出るリスクがあります。
一方、包あん成形機はレシピ登録や成形ユニットの交換により、別商品の仕様にすばやく切り替えられます。これにより、繁忙期でも通常品と限定品を両立しやすく、販売チャンスを逃しません。
「柔軟な生産体制を構築できる」ことは、中華点心のビジネスを広げるうえで大きなメリットです。
中華点心の生産に使えるコバードの機械
中華点心を安定的かつ効率的に生産するには、「中華点心に特化した機械」を選ぶことが重要です。
コバードの機械は、包あん・成形・仕上げなど点心づくりに必要な工程を高いレベルで自動化できるため、全国の食品工場や専門店で採用されています。
その中でも中華点心作りに使える専門機種をご紹介します。
ロボセブンシリーズ｜中華点心の「包あん・成形」の主力機
ロボセブンシリーズは、コバードの主力機種で、生地と餡を同時に送り込み、丸形・俵形・棒状など、多様な点心を成形できる機械です。
生地と餡を同時に送り込み、丸形・俵形・棒状などの形状を安定して成形できるため、肉まん・ニラ饅頭・総菜まん・フィリング入り団子など、幅広い食品の生産を1台でカバーできます。
対応食品例は以下の通りです。
- 肉まん／あんまん
- 中華まん（総菜系まん）
- ニラ饅頭
- 小籠包風の一口点心
- フィリング入り団子
ロボセブンシリーズの機種を一部ご紹介します。
| 機種 | 特徴 | 生産能力 |
| SR-7S（スモールロボセブン） | 小型モデル。直売所・飲食店・催事販売など、小規模生産に特化 | 小規模向け（数百〜数千個／時） |
| AR-881 | 冷凍点心や業務用卸でも採用される量産モデル。安定した連続生産が可能 | 中〜大規模向け（数千〜数万個／時） |
ロボセブンシリーズの機種一覧はこちら
マジックハンドシリーズ｜やわらかい中華饅頭の「手作り感」のまま再現
マジックハンドシリーズは、人の手の動きを再現することで「ふんわり」「やわらかい」「具材がつぶれない」といった手作り品質を実現できるのが強みです。
マジックハンドは生地に過度な圧力をかけないため、野菜・肉・甘いフィリングなども形を残したまま包むことができます。
これにより、家庭的な仕上がりやふっくら感のある中華饅頭を大量に生産可能になります。
マジックハンドシリーズでは、「中華饅頭」のみに対応しています。
マジックハンドシリーズの機種一覧はこちら
ヒダ付け機
ヒダ付け機は、中華まんに欠かせない「ヒダ模様」を安定して付けるための機械です。製品の見た目を手包み風に仕上げながら、量産性を高められる点が特徴です。
ヒダの深さ・枚数・捻り具合を自由に調整できるため、オリジナリティあふれる中華饅頭や小籠包を生産できます。
専門店のような深いヒダを再現したり、かわいらしい浅めのヒダにしたり、ブランドのイメージに合う形状を作ることが可能です。
自社に合う中華点心の機械の選び方
中華点心の機械導入で失敗しないためには、「機械の性能」だけを見るのではなく、自社の生産量・商品ラインナップ・衛生管理体制など複数の視点から総合的に判断することが重要です。
中華点心の機械を選ぶ際に重視してほしいポイントは以下の通りです。
- 1日の生産量とピーク時の必要量から逆算する
- 生地・餡の配合と商品ラインナップを棚卸しする
- 洗浄性・衛生管理・メンテナンス体制を確認する
それぞれ詳しく解説します。
1日の生産量とピーク時の必要量から逆算する
導入前には 平日・週末・繁忙期の出荷量から逆算し、1時間あたりの必要生産量（個／時）を算出するところから始めましょう。
日常の出荷量だけを基準にすると、繁忙期に生産が追いつかなくなり、追加受注が取れない、残業が増えるなどの問題が発生します。
例えば、平日は1日3,000個でも、週末は5,000〜7,000個、繁忙期には1万個近くになる企業も少なくありません。
この場合、「普段は余裕を持って生産でき、繁忙期でも大きな遅延が出ない能力」を持つ機種を選ぶのが正しい選択となります。
生地・餡の配合と商品ラインナップを棚卸しする
中華点心の機械選定では、「どんな商品を作りたいか」を明確にすることが重要です。生地や餡の配合（硬さ・水分量・油脂量）、具材サイズ、商品ラインナップの整理は必須です。
点心は種類ごとに最適な皮厚や餡の粘度が異なり、機械によって得意・不得意の食品があります。そのため、総菜系中華まん・ニラ饅頭・焼売を同じラインで作りたい場合、機械側には幅広い粘度の餡に対応できる押し出し性能が求められます。
一方で、中華饅頭の「ふんわり感」を最優先するなら、やさしい成形に特化した機種が適しています。
どんな商品を作りたいか、1台で複数の商品を作るのか、1つの商品を高品質化を目指したいかなど、目的を明確にしておきましょう。
洗浄性・衛生管理・メンテナンス体制を確認する
中華点心の餡は油脂・水分が多く、ほっておくと不衛生にもなりかねないため、洗浄性（分解のしやすさ・洗えるパーツの数）、日々の清掃時間、メーカーのメンテナンスサポート体制を必ず確認します。
ホッパーや成形ユニットの構造によっては、細かい部位に餡が残りやすく、不衛生になりやすい設計もあります。また、洗浄しにくい機械は、作業者の負担増加につながり、最悪の場合はライン停止の原因になることもあります。
コバードの機械は、分解洗浄がしやすい構造を採用しており、日常の衛生管理を効率化できるよう設計されています。
「作りやすさ」だけでなく 「洗いやすさ」や「管理しやすさ」も含めて選定することが、長期的な生産コストを大幅に左右します。
中華点心機械の導入までの流れ
中華点心の機械導入を成功させるためには、「どの手順で進めるか」を事前に理解しておくことが重要です。導入プロセスは以下の通りです。
- ①課題の整理
- ②サンプル提出
- ③テスト生産・実演
- ④仕様・レイアウト検討
- ⑤本導入・立ち上げ
特にテスト生産は、実際の生地や餡を使って製品の仕上がりを確認できるため、ミスマッチを防ぐうえで欠かせない工程です。
ステップごとに必要な判断ポイントが異なり、早い段階で課題が明確になっていれば、実演会や試作で確認すべき点も明確になります。
また、レイアウト検討では既存ラインとの動線、清掃スペース、原料投入位置など細かな部分まで設計する必要があります。このプロセスで順番に進めることが、無駄な投資を避け、スムーズに立ち上げる最短ルートです。
まとめ
中華点心の機械導入は、品質の安定・生産効率の向上・商品展開の柔軟性を同時に実現できる有効な手段です。
中華点心は皮の厚みや餡量のわずかな違いが食感や見た目を左右するため、手作業だけでは品質の均一化や増産に限界があります。分割機・包あん成形機・加熱設備などの専用機械を導入することで、こうした課題を無理なく解消しましょう。
中でも、コバードのロボセブンシリーズやマジックハンドシリーズは、手作り感や美味しさを保ったまま生産能力を高められる点が特長です。
コバードでは、補助金活用を含め、商品や生産体制に合わせた最適な機械をご提案しています。生産効率化や人手不足に課題を感じている事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
