プロが解説!饅頭の機械で自動化を促進!導入のメリットと機械の選び方
「売れ行きは絶好調。でも、このままではいつか製造が追いつかなくなる……」
連日行列ができるほど愛される手作りのお饅頭。
その味とぬくもりを守りたい気持ちと、製造の限界、職人さんの負担という現実との間で、「手作りの品質を落とさずに、生産量を劇的に増やせる方法」を模索している事業者の方も多いのではないでしょうか。
しかしながら「機械化=味気ない大量生産」になるのでは、という不安もあるはずです。饅頭を生産できる機械は日に日に進化しており、職人と変わらない手作り感を出せる機械も増えています。
本記事では、人の手を超える手作り感を守りながらも大量生産を実現できる饅頭の機械を紹介するとともに、機械を導入することで得られるメリットや導入時のポイントについて解説します。

饅頭製造機械とは?基本構造と仕組みを解説

饅頭製造機械とは、生地の成形から餡の包み込み(包あん)、成形後の搬送までを自動で行う包あん機のことです。
近年では、手作業に近い柔らかいタッチで成形できる機械も登場しており、饅頭だけではなく大福の製造も可能です。
こうした最新機器により、職人の技術を再現しながらも安定した品質を維持できる点が大きな魅力です。見た目や食感にこだわる和菓子店でも導入が進んでいます。
饅頭製造機械を導入するメリット

包あん機の導入には、「品質の安定」「効率向上」「衛生管理の強化」など多くの利点があります。
特に人手不足が深刻な製菓業界において、限られた人数でも大量生産を可能にする点は大きな強みです。
ここでは主な5つのメリットを詳しく見ていきましょう。
1. 安定した品質で製造できる
包あん機を導入する最大のメリットは、誰が作っても同じ品質を再現できる環境が整うことです。
職人の手に頼っていた時代は、熟練度や体調、気温・湿度によって微妙な差が生じていました。
しかし、機械を導入すれば、配合・包あん圧・成形スピードといった要素をデータで管理できるため、常に同じ状態で製造が可能になります。
どの店舗で購入しても同じ味・見た目であることは、現代の消費者にとって安心感があります。
また、品質の安定はOEM供給や新規販路の拡大にもつながります。つまり、機械導入は「品質の均一化」だけでなく、事業を次の成長フェーズへ押し上げる基盤整備ともいえるのです。
2. 生産効率の向上で人件費を削減できる
生産工程を自動化することで、限られた人員でも多くの製品を安定供給できるようになります。
例えば、従来は製造に追われていたスタッフが、新商品の開発や販促、SNS発信などに時間を使えるようになり、結果として「作る人」から「価値を生み出す人」へと働き方が変化し、企業全体の成長スピードが加速します。
また、効率的なライン稼働によって、注文増加や繁忙期にも柔軟に対応できるようになります。
3. 異物混入リスクの低減
機械化によって人の手が直接触れる工程が少なくなり、衛生的な製造環境を確保できます。
特にHACCP(ハサップ)対応ラインを導入することで、食品安全基準に準じた衛生管理体制を構築できる点も魅力です。
自動搬送や自動洗浄機能付きのモデルを選べば、清掃の手間も軽減されます。
4. 思い立ったらすぐに新商品を開発できる
自動化ラインでは、レシピ変更や成形サイズの切り替えが容易です。
近年注目される「季節限定商品」や「ご当地仕様の饅頭」なども、設定変更だけで可能になります。
たとえば、春には桜餡、秋には栗餡といった多品種小ロット生産をスムーズに行える点が、商品開発の柔軟性を高めています。
5. 長期的に見るとコスト削減につながる
機械導入は一時的なコストではなく、未来への投資です。
導入初期は一定の資金が必要ですが、長期的に見れば「安定稼働」「廃棄削減」「人件費の最適化」など、さまざまな面で経営を支える要素になります。
特に食品製造業では、原材料費や人件費の高騰が避けられない中で、機械化によるコストの見える化と生産性向上は持続的な成長に直結します。
つまり、未来にかかるコストのリスクを下げ、経営を強くするものとして、機械の導入はメリットが大きいのです。
饅頭機械の主な種類と選び方

饅頭製造機械は生産規模や目的に応じて選ぶことが重要です。
種類 | 特徴 | 生産量 |
---|---|---|
包あん機 | 生地と餡を自動で包み込む 汎用性が高い | ~3,000個/時 |
全自動成形ライン | 包あん〜成形〜搬送を一括自動化。 | 9,000~14,000個/時 |
小型包あん機 | 卓上型で省スペースで設置できる 小さいが生産能力は高い | ~1,200個/時 |
小規模店舗や試作向けであれば、小型包あん機が最適です。限られたスペースでも導入でき、少人数でも高品質な製造を実現できます。
一方で、安定した量産体制を整えたい中小規模工場には、スタンダードな包あん機が適しています。用途に合わせて餡の種類やサイズを変更できるなど、柔軟性と生産力のバランスに優れています。
OEM供給や全国販売など大規模生産を想定する企業には全自動成形ラインが最適です。包あんから成形・搬送までを一貫して自動化できるため、安定稼働と人件費削減を同時に実現できます。
導入前に確認しておきたいポイント

単に機械を導入するだけでは、「機械を導入したけど生産数が足りない・多すぎる」など、ミスマッチが発生する可能性があります。
そうならないために、導入前に確認しておきたい5つのポイントを紹介します。
1. 自社の生産規模と製造方式に合う機械を選ぶ
大量生産を目指すなら全自動ライン、小ロット製造や店舗販売中心なら小型機が適しています。自社の生産量・人員・販売計画を明確にしたうえで選定することが失敗を防ぐポイントです。
2. メンテナンス・アフターサポート体制を確認する
導入後の安定稼働には、メーカーの保守体制が欠かせません。部品供給のスピードや点検の対応を事前に確認しておくことで、トラブル時の損失を防げます。
3. 実績・導入事例が豊富なメーカーを選ぶ
同業他社の導入事例を確認することで、機械の信頼性や使い勝手を把握できます。特に食品製造分野における長年の実績と導入ノウハウを持つメーカーは安心です。
4. 試作・デモ対応が可能なメーカーを選ぶ
生地や餡を使って試作できるメーカーであれば、導入前に仕上がりを確認できます。これにより導入後のミスマッチを防ぎ、スムーズな立ち上げが可能です。
5. コストパフォーマンスと保守費用のバランスを見る
価格だけで判断せず、ランニングコスト・消耗品費・保守費用も含めた総合コストを比較することが大切です。長期的なコストバランスを考えると、初期費用が多少高くても信頼性の高い機種の方が結果的に安上がりになる場合もあります。
饅頭製造機械の価格相場とコスト比較
導入コストの目安は以下の通りです。
機種タイプ | 価格帯(目安) | 特徴 |
---|---|---|
小型包あん機 | 約300〜600万円 | 個人店や新規導入向け |
包あん機 | 約700〜1,000万円 | 中規模製造ライン向け |
全自動ライン | 約1,200万円〜 | 大量生産・OEM対応 |
一見高額に思えるものの、1時間あたりの生産量が数倍に向上するため、年間の人件費削減効果や廃棄削減分を考慮すると、3〜5年で投資回収できるケースが多いです。
ただしこれらの価格はあくまでも目安です。メーカーのほとんどでは、事業者の提供している商品に合わせて機械をカスタマイズすることが多いため、価格が一律ではありません。
そのため、基本的には導入価格については問い合わせが必要になります。
株式会社コバードの饅頭を生産できる機械
弊社の饅頭を生産できる「包あん機」は以下の通りです。
機種名 | 生産量 | サイズ |
---|---|---|
MHS-1 | 最大800個/時 | 全幅1,435mm 奥行835mm×高さ1,448mm |
SA-7S | 最大1,200個/時 | 全幅805mm 奥行627mm×高さ850mm/ コンベアの高さ300mm |
AR-881 | 最大3,600個/時 | 全幅1,500mm 奥行907mm×高さ1,350mm/710mm |
AR-880-W | 最大9,600個/時 | 全幅1,890mm 奥行1,113mm×高さ1,422mm/コンベア高さ670mm |
AR-880-T | 最大14,400個/時 | 全幅1,900mm 奥行1,222mm×高さ1,422mm/コンベア高さ670mm |
それぞれ、以下のような食品加工に対応しています。
種類 | 具体例 |
---|---|
和菓子 | 桜餅 栗きんとん 3重包あん茶巾 3重包あん 花しぼり茶巾 花しぼり練りきり 桃山茶巾 薯蕷饅頭 2色茶巾 3色茶巾 花見団子 おはぎ 豆大福 黒糖饅頭 黄味時雨 フルーツ入りバターそぼろ 刻み栗入り薯蕷饅頭 月餅 葛饅頭 水大福 人形型薯蕷饅頭 五色餅 芋菓子 ひび割れ米菓 五平餅 フルーツ団子 いちご大福 求肥餅 |
洋菓子 | アイスボックスクッキー アップルパイ ガレット トリュフ スパイラルクッキー オープントップクッキー スイートポテトケーキ ドーナツ 餅アイスクリーム フルーツインクッキー オープントップクッキー |
惣菜 | チーズ入りハンバーグ ハンバーグ スコッチエッグ ミートパイ 茶巾すり身 コロッケ&クノーデル 小龍包 肉団子 中華饅頭 タレ入り中華饅頭 すり身アラカルト チーズコロッケ |
導入までの流れ
株式会社コバードの導入の流れは以下の通りです。
- 問い合わせ・相談
目的・製品イメージ・生産数などをヒアリング。 - サンプル製造テスト(実機デモ)
実際に生地・餡を使い、製品品質を確認。 - 見積・仕様打ち合わせ
要件を確定し、仕様・価格を提示。 - 製造・納品・立ち上げ
現地設置・試運転・操作説明を実施。 - メンテナンス・継続サポート
稼働後も点検・技術支援を継続。
技術スタッフによるお客様の現場での生産・管理を徹底サポートします。お客様自身で機械を扱えるようになるまで奔走いたします。
このように、導入からアフターフォローまで一貫したサポート体制が整っている点が、コバードの大きな強みです。
まとめ
饅頭製造機械の導入は、品質の安定・効率化・コスト削減を実現する重要な一歩です。人手不足の解消だけでなく、新商品の開発スピードや安全性向上にもつながります。
長期的に見れば、高品質な製品を持続的に提供できる体制を築く投資と言えるでしょう。コバードは、豊富な実績と技術力で製菓業界の自動化を支援する信頼のパートナーです。
饅頭・大福以外の和菓子にも対応している機種を取り揃えておりますので、食品加工を行う事業者様はお気軽にお問い合わせください。
