生ドーナツを機械で量産するには?製法の特性から機械選びの要点まで徹底解説
生ドーナツはもっちりとした食感・濃厚なクリーム・見た目の映えやすさから、SNSを中心に広まり、今や専門店が各地に生まれるほどの人気カテゴリになっています。
しかしながら、生ドーナツの生地の扱いやカスタードやホイップといった詰め物の注入、形状の安定した成形など、これらを人の手でこなすには、熟練した技術と相応の時間がかかります。
生ドーナツの需要が高まるほど、製造が追いつかないというジレンマに直面しているベーカリーや食品メーカーは少なくありません。
生ドーナツの機械化は「ケーキやパンと同じようにやればいい」ではうまくいきません。
発酵生地という特殊な素材の扱いや生クリームやカスタードといった詰め物への対応、バリエーションの維持など、専用の機械でなければ品質は崩れてしまいます。
本記事では、生ドーナツの機械化できるポイントと機械選びの判断軸、そして発酵生地の包あん工程に特化した株式会社コバードの機種ラインナップまでを紹介します。
生ドーナツを「手作業から脱却したいが、品質は落としたくない」という方は参考にしてください。

第6次ドーナツブームと「生ドーナツ」の台頭

まずは、生ドーナツのブームについて解説します。
第6次ドーナツブームが生まれた背景と市場動向
日本のドーナツ市場はこれまで数回のブームを繰り返してきましたが、2020年代に入って起きているのが「第6次ドーナツブーム」と呼ばれる動きです。
このブームの特徴は、チェーン店主導ではなく専門店やSNS発の手作り感あふれるブランドが牽引している点にあります。
Googleトレンドで「生ドーナツ」の検索推移を見ると、2021年後半から急激な上昇が始まり、2022〜2023年にかけてピークを迎え、その後もコンスタントに高い関心が続いています。
参考:Googleトレンド
「ドーナツ」単体の検索数と比べると、「生ドーナツ」という特定ワードへの関心度の高さが際立っており、ユーザーが単なるドーナツではなく、食感・素材・品質の異なる新しいカテゴリとして認識していることが伺えます。
生ドーナツはインスタグラムなどのSNS映えと相性がよく、口コミ効果でブランドが広がりやすい商品特性を持っています。
生ドーナツが特集・メディアで注目される理由

生ドーナツが食品・グルメメディアで取り上げられる頻度が増えているのは、単に「おいしい」からだけではありません。
従来のドーナツとは明確に異なる食体験を提供できる商品として、メディアが差別化できるコンテンツとして評価されているからです。
もっちりとした生地・とろけるクリーム・見た目のインパクト、これらは動画や写真映えが抜群で、食レポとしての訴求力も高いです。
百貨店の催事・高速道路のサービスエリア・ポップアップショップなど、限定性のある販売形式とも相性が良く、行列ができる商品として注目されやすい構造を持っています。
今後の見通しとしては、ブームの波はありつつも「高品質・個性派のスイーツカテゴリ」として一定の需要は継続すると考えられます。
専門店の増加による競争激化と並行して、製造効率化のニーズも高まっており、機械化投資の観点では今がまさに検討のタイミングといえます。
生ドーナツ製造に必要な工程と機械化できるポイント

生ドーナツの製造は複数の工程から成り立っており、それぞれで機械化できる範囲や難易度が異なります。
ここでは、生ドーナツの製造に必要な工程と機械化できるポイントを紹介します。
生地の仕込みから分割・丸めまでの工程
生地の仕込みに使うミキサーや、仕込んだ生地を均等に分割・丸める分割丸め機は、すでに多くのベーカリー・食品工場に普及している機械です。
この段階は比較的機械化が進んでおり、導入事例も豊富なため、選定・運用のノウハウも蓄積されています。
発酵前の生地を一定重量に分割し、球状に成形するという工程は、機械が最も得意とする定型作業です。精度の高い分割・均一な丸め形状は、後工程の包み成形の品質にも直結するため、ここをしっかり機械化しておくことが重要な土台になります。
最難関の「中の餡を包む」工程
生ドーナツの品質を決定づけるのが、中の餡を生地で包む「包あん・成形」工程です。この工程こそが、生ドーナツ製造における最大の機械化ハードルとなっています。
手作業から抜け出しにくい理由は大きく3つあります。まず発酵生地はデリケートで、強い圧力がかかると気泡が潰れて食感が失われます。
一般的な包あん機の多くは和菓子・まんじゅうのような非発酵生地を前提に設計されており、発酵生地に適用すると品質が劣化するリスクがあります。
次に多様な詰め物への対応で、カスタードクリーム・生クリーム・あんこなど、粘度や性状が異なる詰め物すべてに対応できる機械は限られています。
包み形状のバリエーションへの対応も、機械選定の難しさを高める要因です。
揚げ・焼き以降の工程と機械の役割
包み・成形の後は、発酵を経て揚げまたは焼きの工程に入ります。
フライヤー・オーブンはすでに業務用として多様な機種が存在しており、生産規模に合わせた選定が可能です。
揚げ・焼き後の工程として、クリームの後充填という方法もあります。焼き上がったドーナツにノズルで直接クリームを注入するクリーム充填機を使うことで、詰め物の多様化と作業効率化を両立できます。
ただし後充填に頼る場合、前工程の機械化が遅れると全体ラインのボトルネックが解消されません。
揚げ・焼き以降を効率化したいなら、包み工程の自動化を先に整備することが全体最適につながります。
生ドーナツ製造用の機械を選ぶ際に確認すべき4つの観点

生ドーナツの機械選びで「生産量だけで比較する」のは失敗の元です。
生ドーナツは品質が購買動機の核心にあるため、いかに品質を落とさずに量を作れるかという観点が最優先になります。
ここでは4つの選定ポイントを紹介するので、参考にしてください。
発酵生地を傷めない「包み方の仕組み」が最重要
機械選定において最初に確認すべきは、その機械が発酵生地に対応した包み方の仕組みを持っているかどうかです。
市場に出回る多くの包あん機は、まんじゅう・和菓子・点心などを対象に設計されています。
このタイプの機械で発酵生地を使うと、押し込む力や回転の摩擦で生地の気泡が潰れ、焼き上がりの食感・膨らみ・ボリューム感が著しく低下します。
品質を維持するためには、「生地の中心に詰め物を配置し、生地を外側から優しく包み込む」という手作業に近いプロセスを機械で再現できることが条件になります。
発酵生地へ過度な負荷をかけない設計かどうかを、必ず事前に確認してください。
対応できる成形形状と詰め物の種類
生ドーナツは商品の多様化が進んでおり、形状や詰め物のラインナップが豊富であることが競争力になっています。
機械を導入した後に「この形には対応できない」「このクリームは詰まる」という事態が起きると、ラインの柔軟性が失われます。
形状バリエーションへの対応可否やカスタード・生クリーム・あんこ・チョコレートなど粘度の異なる詰め物への対応可否を、導入前にメーカーへ確認することが重要です。
生産規模と1時間あたりの処理能力
1日・1週間に必要な生産個数から逆算して、必要な処理能力を算出してください。
小規模ベーカリーであれば1時間に数百個、中規模工場なら数千個、大規模量産ラインであれば1万個以上という目安になります。
処理能力が不足している機械を選ぶと繁忙期に対応できなくなり、過剰なスペックの機械を選ぶと設備コストが無駄になります。
自社の販売計画・成長見込みを加味したスペック選定が、長期的なコストパフォーマンスを左右します。
設置スペース・メンテナンス性・サポート体制
設備のスペックだけでなく、導入後の運用コストも判断材料に含めてください。
厨房・工場のレイアウトに収まるサイズかどうか、清掃・部品交換のしやすさ、メーカーによる定期点検・修理対応の充実度は、機械の稼働率と長期コストに直接影響します。
導入後にサポートが受けられないメーカーの機械は、トラブル発生時に生産がストップするリスクがあります。実績のあるメーカーを選び、購入前にアフターサポートの体制も確認することをおすすめします。
コバードの生ドーナツを製造できる機種ラインナップと規模別の選び方
株式会社コバードが開発した「マジックハンドシリーズ」は、発酵生地を傷めない独自の包み機構を持つ包あん成形機です。
生ドーナツを含む発酵生地商品の機械化に特化した設計思想のもと、小規模から大規模まで4機種のラインナップを揃えています。
MH-1(1連式・最新スタンダードモデル)

マジックハンドシリーズのスタンダードモデルとなる1連式機種です。コンパクトな設置面積でありながら、発酵生地への負荷を最小限に抑えた本格的な包あん成形が可能で、小規模ベーカリーや生産ラインへの初期導入として最適な一台です。
「まずは機械化を試してみたい」「コンパクトな設備から始めたい」というニーズに応えるモデルとして位置づけられており、初めて包あん機を導入する事業者でも扱いやすい設計になっています。
MH-1W(1連式・生産能力倍増モデル)

MH-1と同様のコンパクトなフットプリントを保ちながら、生産能力を大幅に向上させたモデルです。「設置スペースには余裕がないが、もっと量を作りたい」というニーズに直接応える機種です。
スペースの制約がある厨房・工場でも、MH-1からのアップグレードによって設備面積を変えずに生産量を増やすことができます。需要が増えてきたタイミングでの増産対応として検討されるケースが多いモデルです。
MH-4W(4連W型・中〜大規模工場向け)

4連W型の配置により、大幅な生産能力の向上を実現したモデルです。中規模から大規模の食品工場を想定した設計で、商品構成や生産ライン全体のレイアウトに合わせた個別提案対応が基本となっています。
導入にあたっては事前の打ち合わせが必要で、工場の生産計画・ライン構成・必要スペックをすり合わせたうえで最適な仕様を決定します。量産を本格的に検討している事業者に向いたモデルです。
MH-6W(最大生産能力・大規模工場専用)

マジックハンドシリーズ最大の生産能力を誇る、大規模量産ライン向けの最上位モデルです。食品メーカーや大型製造工場での量産体制確立を目指す事業者に向けて設計されており、ラインの自動化・省人化において最大のインパクトを発揮します。
MH-4W同様に個別提案対応が基本で、生産規模・商品種別・ライン設計を踏まえた最適な仕様の提案を受けることができます。まずはコバードへの問い合わせから始めることをおすすめします。
機械導入で変わる生ドーナツ製造の現場
では、実際に機械導入で生ドーナツの製造現場はどのように変わるのでしょうか。
品質の安定と職人技の属人化解消
熟練スタッフが手で包む場合、一人ひとりの感覚・体調・経験年数によって包み量・形状・仕上がりにばらつきが生じます。
同じレシピで作っても、日によって・担当者によって商品の見た目や食感が変わることがあります。
機械化によって設定した基準通りの成形が繰り返されることで、クレームの原因となるばらつきが大幅に減少します。廃棄ロスの削減・品質クレームの低減・商品への信頼性向上へ繋がります。
生産計画・コスト管理への好影響
手作業では「今日何個作れるか」が担当者の体力・スキル・人数に左右されます。
機械化することで1時間あたりの処理能力が数値として明確になり、販売計画に基づいた生産スケジュールが立てやすくなります。
特に週末・連休前・イベント期などの需要急増時に、計画的に生産量を増やせることは大きな強みになります。
まとめ
生ドーナツの機械化を検討するうえで、まず確認すべきことは「発酵生地を傷めない包み方の仕組みを持つ機械かどうか」です。ここで間違えると、品質劣化という最悪の結果につながります。
次に、自社の生産規模・対応したい成形形状・使用する詰め物の種類を整理したうえで機種を比較することが大切です。
コバードのマジックハンドシリーズは、発酵生地の包あんに特化した設計と、小規模から大規模まで対応する4機種のラインナップを持ち、生ドーナツ製造の機械化において有力な選択肢のひとつです。
昨今のトレンドとして、ベースとなるパンやスイーツに後からクリームやソースを注入し、できたての美味しさを演出することで付加価値を高める手法が注目されています。
まずはコバードの包あん機で、土台となる高品質な製品を安定して作り上げ、そこに最後の一手間を加える。このサイクルこそが、競合と差別化された高付加価値商品を生み出す鍵となります。
「自社のラインにどの機種が合うか」「どこから機械化を始めればいいか」といった初期段階のご相談も、コバードでは真摯に承っています。まずは打ち合わせから、私たちと一緒に理想の生産ラインを形にしてみませんか。

