菓子パン製造に使われる機械とは?包あんパンに最適な機械の選び方を解説
「クリームパンやあんパンの製造を機械化したいが、どの設備を選べばいいかわからない」「手作業からの切り替えを検討しているが、何から始めればいいか見当がつかない」菓子パン製造の機械化を考えるとき、こんな悩みを抱える担当者は少なくありません。
特に包あんパンの製造は、生地の硬さ・フィリングの粘度・包む量のバランスが品質を左右するため、機械選びを間違えると歩留まりの悪化や品質のばらつきに直結します。
結論から言えば、菓子パン製造の機械化で成果を出すには「工程ごとに最適な機械を選ぶ」という発想が不可欠です。
ひとつの万能機を探すより、自社の製造工程のどこにボトルネックがあるかを特定し、そこから機械化を進める順番で考えることが重要です。
この記事では、包あんパンをはじめとする菓子パン製造に使われる機械の種類・選び方・導入メリット・コバードの機種紹介まで、初めての方にもわかりやすく解説します。

結論|菓子パン製造は「工程別」に最適な機械を選ぶのが正解

菓子パンの製造ラインは、大きく「分割・丸め・成形・包あん・カット・仕上げ」という工程に分かれています。
これらの工程はそれぞれに求められる機能が異なるため、「どの工程を機械化するか」を先に決めることが、設備投資を成功させる第一歩です。
よくある失敗のパターンは、「とりあえず全自動ライン」を検討して費用面で断念したり、逆に単体機を買ったものの自社の製品に対応していなかったりというケースです。
包あんパンに特化して考えると、フィリングの種類(カスタードクリーム・こしあん・つぶあんなど)や包む量・生地の特性によって、必要な機械の仕様がまったく異なります。
まず自社で製造する商品を整理し、どの工程に課題があるかを明確にしてから機械選びに入ることが、後悔しない導入につながります。
菓子パン製造に使われる機械の種類

菓子パンの製造ラインを構成する主な機械を工程順に紹介します。
分割機・丸め機
仕込んだ生地を一定の重量に分割し、球状に丸める工程を担う機械です。
手作業では重量のばらつきや丸め形状の個人差が出やすく、焼き上がりのサイズ・食感のムラにつながります。
成形機
丸めた生地を平らに伸ばしたり、特定の形状に整えたりする工程を担います。
包あんパンの場合は、フィリングを包むための「皮」の薄さや均一性が仕上がりに影響するため、成形の精度が重要です。
包あん機(クリーム・あん対応)
菓子パン製造の核心となる工程を担うのが包あん機です。
成形した生地の中にクリーム・あん・チョコレートなどのフィリングを定量充填し、包み込む作業を自動化します。
カット機・スライサー
成形・包あん後の生地や焼成後のパンを一定サイズにカットする機械です。
包あんパンにおいては、成形後の生地を均等にカットして複数の個数を整えたり、焼成後に断面を揃えたりする用途で活用されます。
全自動ライン設備
分割・丸め・成形・包あん・カットの各工程を一貫して処理できる全自動ラインは、大量生産を前提とした工場向けの設備です。
人員を大幅に削減しながら高いスループットを維持できる反面、初期投資が大きく、製品の種類変更時の段取り替えコストも生じます。
パンの全自動ラインについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
菓子パン機械導入の4つのメリット

ここからは包あん機などの菓子パン機械を導入する4つのメリットを紹介します。
人手不足の解消
食品製造業は慢性的な人手不足に直面しており、菓子パンの製造現場も例外ではありません。
包あん・成形・カットといった定型工程を機械化することで、これらの工程に費やしていた人員を品質管理・商品開発・接客など付加価値の高い業務に配置できます。
「ベテランが辞めたら品質が保てない」という属人化リスクの解消にも直結します。
熟練の技術が必要だった包あん工程を機械化することで、経験の浅いスタッフでも安定した品質の製品を製造できる体制が整います。
品質の均一化
手作業では避けられないのが、担当者の体調・経験・作業スピードによる品質のばらつきです。
包あんパンの場合、フィリングの量・生地の厚さ・包み口の仕上がりが一個ずつ微妙に異なることがあります。
機械化することによって、フィリングの定量充填・生地の均一な成形・一定のカット寸法が維持されるので、消費者が「いつ買っても同じ味」と感じる品質の安定が実現します。
歩留まり向上
手作業でのフィリング充填は、量が多すぎて生地が破れたり、少なすぎてクレームになったりという歩留まりのロスが発生しやすい工程です。
包あん機を使うことで定量充填が可能になり、設定した重量への精度が高まり、材料の無駄を削減できます。
原材料費が高騰している現在の経営環境において、歩留まりの改善は直接的なコスト削減につながります。
1日あたりの廃棄ロスを数パーセント削減するだけでも、年間換算では大きな差が生まれます。
生産スピードの向上
熟練スタッフが手作業で包あんする速度と機械の処理能力を比較すると、機械の方が大幅に高い処理スピードを発揮します。
繁忙期や大口受注への対応力が上がることで、機会損失を防ぐとともに納期への安心感が生まれます。
生産スピードの向上は「同じ人員でより多くの製品を作れる」ことを意味し、固定費に対する生産性の向上につながります。
失敗しない菓子パン機械の選び方

菓子パン機械の選び方で失敗しないためにも、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 製造する商品を明確にする
- 生産量から逆算する
- フィリング対応の確認
- メンテナンス体制を確認する
- 補助金対象かどうかを確認する
それでは詳しく解説します。
製造する商品を明確にする
機械を選ぶ前に、まず「何を作るか」を具体的に整理しましょう。
菓子パンといっても、クリームパン・あんパン・チョコパンなど、フィリングの種類や粘度・温度特性がまったく異なります。
製造する商品が決まっていると、必要な機械の仕様(フィリング対応・処理能力・成形形状)が絞り込めます。
「とりあえず汎用性の高い機械を」という発想より、「自社の主力商品に最適化された機械を」という視点で選ぶ方が、導入後の満足度が高くなります。
生産量から逆算する
現在の生産量と、導入後に目指す生産量を数値で明確にしてから機械を選びましょう。
機械の処理能力と自社の必要生産量を照らし合わせることで、オーバースペックな機械への過剰投資や、キャパシティ不足による再投資リスクを防げます。
繁忙期の需要ピーク・将来の生産拡大計画を考慮したうえで、少し余裕のある処理能力を持つ機械を選ぶことが、長期的なコストパフォーマンスの観点から賢明です。
フィリング対応の確認
包あん機を選ぶ際に見落としやすいのが、使用するフィリングへの対応です。
機種によって対応できるフィリングの粘度範囲・温度条件・充填量の調整幅が異なります。
カスタードクリームのような流動性の高いフィリングと、つぶあんのような粒を含む高粘度フィリングでは、必要なポンプ構造や充填ヘッドの設計が変わります。
事前にメーカーや販売会社に「使用するフィリングの種類と特性」を伝えて適合確認をすることが、購入後のトラブルを防ぐ最善策です。
メンテナンス体制を確認する
食品製造機械は衛生管理の観点からも、定期的な分解洗浄・部品交換・点検が欠かせません。
機械そのものの性能だけでなく、購入後のメンテナンス対応体制を確認することが長期的な稼働率の維持につながります。
具体的には「消耗部品の入手しやすさ」「メーカーのサポート窓口の対応速度」「定期メンテナンス契約の有無」を事前に確認しておくことをおすすめします。
機械が止まる時間は生産損失に直結するため、迅速な対応体制を持つメーカーを選ぶことが重要です。
補助金対象かどうかを確認する
菓子パン製造機械の導入には、中小企業省力化投資補助金(カタログ補助金)をはじめとする補助金制度を活用できる可能性があります。
補助金を活用することで初期投資の自己負担を大幅に軽減できるため、導入検討の段階で補助金対象製品かどうかを確認することが重要です。
補助金申請には事前準備と一定のリードタイムが必要なため、設備投資計画の早い段階で情報収集を始めることをおすすめします。
菓子パン機械の導入に利用できる「カタログ補助金」については、以下の記事で詳しく解説しています。
菓子パン機械の価格相場
菓子パン製造機械の価格は、機種・処理能力・オプション構成によって幅が大きく、メーカーへの問い合わせによる個別見積もりが基本となるため、一般的に具体的な価格は公開されていません。
おおまかな目安として、単体の小型機(包あん機・成形機など)は数百万円台から、複数工程を組み合わせたラインシステムは数千万円規模になることが一般的です。
価格を左右する主な要因は、処理能力・対応フィリングの種類・自動化の範囲・カスタマイズの有無などです。
初期投資の金額だけでなく、年間のメンテナンス費用・消耗部品コスト・電力コストも含めたトータルコストで比較検討することが、正確な投資対効果の算出につながります。
株式会社コバードの菓子パン製造機械
包あんパンをはじめとする菓子パン製造の省力化・自動化を検討している方に向けて、コバードの代表的な機種を紹介します。
株式会社コバードは1894年に創業し、地元福井の銘菓「羽二重餅」用の自動化機械を開発した企業です。
そこから、「包あん成形機」を皮切りに、多くの食品機械を開発してきました。
これらの機械は菓子、中華、食肉惣菜、水産練り商品など、様々な食品分野で使用されており、万能性があります。
今回ご紹介する機種はその中でも菓子パン機械の製造にぴったりのものです。
SR-7S

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生産能力 | 最大1,200個/時 |
| 製品重量 | 10g〜70g(1個あたりの製品重量) |
| 外形寸法 | ・全幅805mm × 奥行627mm × 高さ850mm ・コンベアの高さ300mm |
| 電源容量 | 3P 200V 0.5kW |
| ホッパー容量 | 6ℓ |
| 標準商品形状 | 球状、俵状、棒状、連続吐出 |
SR-7Sは、包あん・成形を高精度で自動化するコバードの主力機種のひとつです。
クリーム・あん・チョコレートなど多様なフィリングに対応しており、粘度の異なるフィリングでも安定した定量充填を実現します。
生地の厚さ・フィリング量の調整が容易で、製品の切り替えにも柔軟に対応できます。
製造する菓子パンの種類が複数ある工場でも、設定変更によって対応できる汎用性が評価されています。
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MHS-1

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生産能力 | 最大800個/時 |
| 製品重量 | 35g〜160g(1個あたりの製品重量) |
| 外形寸法 | 全幅1,435mm × 奥行835mm × 高さ1,448mm |
| 電源容量 | 3P 200V、1.5kW |
| 空気使用量 | 40 Nℓ/分 |
| 標準商品形状 | 丸形(※リーフ形、パーカー形はオプション対応) |
| 主なオプション | リーフ形成形ユニット、パーカー形成形ユニット、リターンコンベア、ポケットモルダー 等 |
MHS-1は、手作業に近い自然な包あん動作を機械で再現することを追求したモデルです。
フィリングを包む際の生地の伸び・閉じ方を精密にコントロールし、手包みの風合いを保ちながら量産を可能にします。
職人が長年かけて習得してきた包あんの技術を機械で再現するという設計思想が、コバードの強みを体現した機種です。
少量多品種の生産にも対応しやすい仕様となっており、規模を問わず導入を検討できます。
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AR-881

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生産能力 | 最大3,600個/時 |
| 製品重量 | 5g〜250g(1個あたりの製品重量) |
| 外形寸法 | 全幅1,500mm × 奥行907mm × 高さ1,350mm |
| 電源容量 | 3P 200V、1.7kW |
| 標準商品形状 | 球状・俵状・棒状・連続吐出 |
AR-881は、省スペースで稼働できる包あん成形機です。
あんぱんなどの菓子パンをはじめとする、和菓子・洋菓子などあらゆる食品の成形に対応できる汎用機です。
小さいながらも最大3,600個/時という生産能力を誇るので、フィリング入りの菓子パンを製造したい事業者様におすすめです。
詳細はこちら
菓子パンの製造機械はコバードにおまかせ

株式会社コバードは、食品向け包あん機・成形機の専業メーカーとして長年にわたり食品製造現場の省力化を支援してきた実績を持ちます。
創業以来、パン・和菓子・洋菓子など多様な食品製造の現場と向き合い、現場のリアルな課題を解決する機械の開発・改良を積み重ねてきました。
包あんという繊細な工程を機械で再現するための技術的な挑戦を続けてきたコバードだからこそ、フィリングの種類・生地の特性・製品の形状に応じた最適な提案が可能です。
単に機械を販売するだけでなく、導入後の稼働をサポートするメンテナンス体制も整えています。
「自社の包あんパン製造に合う機械を選びたい」「既存ラインのどこを機械化すれば効率が上がるか相談したい」という方は、ぜひコバードへお問い合わせください。

菓子パンの機械に関するよくある質問
ここからは菓子パンの機械に関するよくある質問を紹介します。
菓子パンの機械は中古機でも問題ない?
中古機は初期コストを抑えますが、衛生面や整備状態の確認・消耗部品の残存寿命・メーカーのサポート対象かどうかを事前に確認することが重要です。
特に包あん機は食品に直接触れるパーツが多いため、衛生基準を満たしている状態かどうかを必ず確認してください。
菓子パン機械の導入に補助金は利用できる?
中小企業省力化投資補助金(カタログ補助金)をはじめとする複数の補助金制度を活用できる可能性があります。
補助金の適用には申請要件の確認と事前手続きが必要なため、設備投資を検討し始めた段階でメーカーや支援機関に相談することをおすすめします。
弊社の機械導入を検討の事業者様はお気軽にご相談ください。
菓子パン機械の導入にかかる期間は?
機種・カスタマイズの有無・メーカーの製造状況によって異なりますが、発注から納品・設置・試運転までトータルで数ヶ月程度を見込むのが一般的です。
補助金申請を並行して進める場合はさらに時間がかかるため、繁忙期前の稼働を目指す場合は余裕を持ったスケジュールで計画することが重要です。
菓子パン機械のメンテナンス頻度はどれくらい?
食品製造機械は使用頻度・製品の種類・フィリングの特性によって適切なメンテナンス頻度が変わります。
日常的な清掃・洗浄は毎日の作業終了後に行うことが基本で、定期的な部品点検・消耗部品の交換は月次〜四半期ごとを目安にメーカーの推奨に従って実施してください。
定期メンテナンス契約を活用することで、突発的なトラブルを予防し安定稼働を維持しやすくなります。
まとめ
菓子パン製造の機械化で成果を出すには、「工程ごとに最適な機械を選ぶ」という視点と、自社の製品・生産量・フィリング特性に合わせた具体的な選定が欠かせません。
人手不足の解消・品質の均一化・歩留まり向上・生産スピードの向上という4つのメリットは、適切な機械を導入することで現実のものとなります。
菓子パンの製造において、包あん機の選定はライン全体の品質を左右する最重要ポイントです。
フィリングの種類・生産量・メンテナンス体制・補助金の活用可能性を確認したうえで、自社に最適な機械を選んでください。
コバードは包あん機・成形機の専業メーカーとして、製造現場の課題解決を長年支援してきた実績があります。ぜひ一度、ご相談ください。

